ミャンマー駐在体験談

ミャンマー政変後の状況を一人の日本人駐在員の視点で書くブログ

一時国外退避 (入国手続き備忘録)

日本の本社と協議した結果、ミャンマーの情勢を鑑みて、一時的にミャンマー国外に退避することにしました。コロナが流行していなければ、隣国タイのバンコクに一時的に身を置くことも可能だったと思いますが、コロナの流行により、日本以外に避難する場所が…

嘘と偽り

最近は毎日のように軍による無抵抗な市民への攻撃、暴行、略奪、不当逮捕というニュースを聞くことに慣れてきてしまい、何が起きても驚かなくなってしまった。しかし、4月1日に発生したヤンゴンの大規模商業施設2軒の火災は、何かスッキリしない、心に引…

血の日曜日事件

2月1日のクーデター発生から、2か月が経ったが、全く事態が改善せず、状況は悪化の一途を辿っている。3月27日の国軍記念日には、100人以上の市民が治安部隊の弾圧によって死亡した。下のツィッターによると、2月1日から3月29日の57日間で550人が死亡し、その…

2021年3月27日 国軍記念日

3月27日は、国軍記念日で軍事パレードが行われた。この日に向けて、ミャンマーの治安部隊は、市民の抗議デモに最大限の警戒をしていた。前日の26日には、国営テレビを通じて、恐ろしい警告を発していた。その内容は、「外で抗議デモをするなら容赦なく背中や…

恐怖政治

最近のミャンマー国軍政府の行動から頭に浮かんだのが、今日の題目の「恐怖政治」という言葉だった。 大辞泉で「恐怖政治」を調べると以下のように書かれています。 投獄・拷問・脅迫・処刑などの暴力的な手段によって反対者を弾圧し、政治上の目的を達成す…

サイレント ストライキ

クーデター発生後のミャンマーでは、軍や警察などの治安部隊のことを、テロリストと呼んでいる。特に最近の治安部隊は、市民に対して残虐な虐待行為を繰り返し、治安部隊自らがミャンマーの治安を乱し、テロリストと呼ぶに値する行動をしている。当初は、デ…

戒厳令下のヤンゴン

3月14日、15日に、ヤンゴン市内6地区(フラインターヤー、シュエピーター、新ダゴン(北)、新ダゴン(南)、ダゴンセイッカン、北オカラッパ)に対する戒厳令を発令し、ヤンゴン軍管区司令官に行政権及び司法権を委譲する旨が、国営放送を通じて発表された…

治安部隊による激しい弾圧と戒厳令

3月14日、ミャンマーの治安当局による弾圧が激しさを増した。弾圧は、市民が道路に設置したバリケードに火をつけて燃やすことから始まった。反政府運動は当初、市民が都心部や商業地などに集まり、抗議デモを行っていた。それを治安当局が、催涙弾、ゴム弾、…

在ミャンマー日本大使による、ミャンマー政府への申し入れ

3月8日、丸山大使は暫定政権の外務大臣であるワナマウンルイン氏と会談した。大使からは改めて現状への強い懸念を相当強い口調で表明。具体的には、①暴力の一切の停止、➁スーチー氏以下NLD指導者の即時開放、③民主主義への復帰、の3点を訴えた。 これを読ん…

膠着状態のミャンマー

サンチャウン地区の警察による暴力 CRPH サンチャウン地区の警察による暴力 ヤンゴンのサンチャウン(Sanchaung)というエリアでは、警察を中心とした治安部隊による激しい弾圧が行われている。私の会社のマネージャー1人が、サンチャウンに住んでいるため、警…

治安部隊の暴徒化

「抗議デモを治安部隊が鎮圧」というニュースを見聞きすることは、今までに何回もあった。その場合、抗議デモを行う側が暴徒化し、市民の安全を守るために、警察などが武力を持って鎮圧するというものだった。しかし、今ミャンマーで起こっている事態は、そ…

治安部隊という名のテロリスト

2021年3月3日は、少なくとも38人の死亡が確認されたとマスメディアで報道されており、2月1日にクーデター発生後、一番最悪の日になった。 今回のことが起きて思い出したのは、かつて中国で起きた「天安門事件」だ。「天安門事件」は、1989年6月に北京の天安…

治安部隊が治安を悪化させる⁉

2021年3月1日、ヤンゴンの大型商業施設の一つ、ミャンマープラザが一時閉鎖を決めた。閉鎖の理由は、治安部隊が大挙して買い物客の安全を確保できないからだ。言葉にすると、全く意味不明なことが起きている。”治安部隊が大勢来ると、買い物客の安全が確保で…

非常事態下の企業経営

一人の駐在員として、この非常事態下のミャンマーで企業経営をする立場に置かれているが、率直に言えば、自分にできることは、できる限りの安全の確保、資産の保全と、従業員を安心させるメッセージを発する以外何もない。 安全の確保、資産の保全の対策とし…

政府による取り締まり強化

前回のブログで、市民のCDMに対し国軍政府が取り締まり強化と情報統制で対抗していることを書いた。政府は引き続き、夜間(1:00am-9:00am)のインターネット接続遮断とSNSの接続遮断をしているが、反政府運動やCDMを呼びかける市民によるフェイスブック、ツィ…

情報統制の強化

ゼネストから一夜明けた2月23日は、デモ隊の活動はあまりなく静かな一日だった。それでもCDMは引き続き実行されており、銀行は軒並み閉店し、政府機関も閉ざされている。税関は一部稼働していたようだが、銀行が開いておらず輸入関税の納付ができないため、…

「22222」民主化運動

昨日2月22日に、ミャンマーでは国軍クーデターに対する大規模なゼネストがあった。ゼネスト翌日の今日は、平常に戻り、私の勤めている工場も操業を再開した。 2月22日のゼネストは、日付が2021年2月22日で、2が5つ並ぶ日なので、通称「22222」民主化運動と呼…

警察による取り締まりの激化

2月20日は、警察による実弾の発砲が相次いだ一日だった。マンダレーでは昼間に銃撃があり2名が死亡し、数名のけが人がいる模様。ヤンゴンのシュエピターでは、夜間自警パトロール中の市民が発砲され、1名が死亡するなど、警察による実力行使が本格化してい…

非暴力・不服従を貫く市民による抗議デモ

今週末も、ヤンゴン市内及びミャンマー各地で、アウンサン・スーチー女史の釈放と、民主化を求める抗議デモが行われている。何万人という人が集まって、デモ行進が毎日のように行われているが、明確な指導者が存在しないにもかかわらず、市民が自然と集まり…

CDMの企業活動への影響

前回のブログに記載したように、日系企業の工場が多くあるティラワ経済特区前でも、2月17日から連日、デモ隊がゲート前に集結するようになった。経済特区の管理事務所は、労働者の安全を考慮し、デモ隊の経済特区内への侵入を防ぐ目的で、18日朝、全てのゲー…

CDM(市民不服従運動)の影響拡大

ミャンマーでは、日に日にデモ抗議活動がエスカレートしている。公務員・銀行員など幅広い業種の市民が職場放棄をして、国軍のクーデターに抗議するCDM(市民不服従運動)を展開しているためだ。 2月16日、ヤンゴンでは、中央銀行の前の道路に若者が座り込み…

国軍政府の取り締まり強化

ミャンマーの市民は、デモの規模を拡大し、CDMへの参加を呼びかけ、政府への抗議の姿勢を示し続けている。それに対して、国軍政府は市民への取り締まりを強化している。 政府は2月8日に、夜間外出禁止令(20:00-4:00)と、公共の場での5人以上の集会禁止令を…

市民の行動(CDM)

2月1日のクーデター発生から、市民のデモは拡大を続け、国軍政府 VS 市民という戦いの構図が出来上がりつつある。2月8日に国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官は、TV放映で、憲法の尊重、新型コロナ対策、新型コロナで低迷した経済の立て直しなどを…

デモ拡大と政府の対応策

週が明けて2月8日月曜日、市民によるデモ抗議活動は週末よりも激しさを増している。週末は会社や役所が休みなので、デモ抗議活動の参加者数が増えることは予想できていたが、月曜日に週末よりも規模が拡大したのは、職場での勤務を行わずデモに参加する人が…

インターネット接続遮断

2月6日土曜日、いつもの週末のように、なかなかベッドから起き上がることができず、スマホでメールをチェックしたり、うたた寝したり、ウダウダしていた。スマホで本社からのメールが入っているのをチェックしたので、後でパソコンを開いて返事をしなきゃと…

情報統制の始まり

2月3日、4日とデモ隊は規模を拡大し、軍や警察が街中にいる状況ですが、幸い暴動や大きな騒動には至っていません。しかし、市民の国軍政府に対する憤りは激しく、病院で医療活動ボイコット運動が広がりを見せるなど、職場を放棄しデモに参加する動きが出始め…

軍政府の言い分

クーデター発生から一夜明けた2月2日は、意外と平穏な一日だった。障害のあった携帯電話、インターネット接続、TV放映は復旧していた。TVに関しては、一部BBC、CNNといった外資系のチャンネルは放映がストップされているが、NHKワールドプレミアムは見れるよ…

アウンサン・スーチー女史 拘束(初日午後)

2月1日の午後になって、ようやく人事マネージャーと連絡がとれた。人事マネージャーは工場に出勤しており、工場のWifiが繋がったので、Viberで私に電話をかけてきた。工場に出勤していた人事マネージャーと、製造マネージャーが話し合って工場の稼働体制を決…

アウンサン・スーチー女史 拘束(初日午前)

2021年2月1日月曜日、スマホのけたたましいアラームを止めて、目を覚ました。時計は5:30を指していた。いつも私の起きる時間だ。いつものように顔を洗い、歯を磨き、コーヒーを沸かし、テレビをつけた。いつも見ているテレビ番組はNHKのあさイチだ。ミャンマ…