ミャンマー駐在体験談

ミャンマー政変後の状況を一人の日本人駐在員の視点で書くブログ

戒厳令下のヤンゴン

3月14日、15日に、ヤンゴン市内6地区(フラインターヤー、シュエピーター、新ダゴン(北)、新ダゴン(南)、ダゴンセイッカン、北オカラッパ)に対する戒厳令を発令し、ヤンゴン軍管区司令官に行政権及び司法権を委譲する旨が、国営放送を通じて発表された。この6地区に対する弾圧の動きが激しさを増し、治安当局である軍や警察の車両が、同地区に集結し始めた。治安当局は、ハンドスピーカーで、以下の警告を当該地区住民に対して発している。

  1. 夜7時~朝5時までの外出禁止
  2. 道路バリケードの設置及び放置の禁止
  3. バイク走行の禁止
  4. 1~3を違反したものには、容赦なく発砲する

特に2については、バリケードが道路あると、バリケードを設置したのが誰であれ、そこの住民にはバリケードを撤去する義務があるため、バリケードがあるだけで、近隣住民の家宅捜索をし、逮捕するという暴挙に出るそうだ。

戒厳令が発せられた地域の様子↓↓↓

治安部隊の警告アナウンスの様子↓↓↓

政府や警察が市民に対して行っているこうした行為は、まるで暴力団かマフィアのような行為だ。警察に安全を脅かされた戒厳令下の6地区の住民は、一斉に地方に退避し始めた。

私の勤める工場が、戒厳令下にあるため、かなりの従業員が地方に避難した。とても稼働を開始することなど考えられる状況にない。いつから仕事は開始できるのか、全く目途が立たなくなった。

次は、私のような外国人だが、当然外国人も避難を考え始める。中国系の工場が放火にあったことから、かなりの人数の中国人が国外退去したようだ。日本人は、そこまで一挙に退避を考えていないようだが、4月の全日空のフライトを確認すると、全便満席になっていた。国外退避する日本人が多いだけでなく、新型コロナの影響で4月の全日空のフライトが5便しか飛んでないというのも、全便が満席となってしまう原因の一つだ。私は、念のためシンガポール経由のフライトを予約した。4月のシンガポール航空はフライトスケジュールが確定していないため、まだ仮予約の状態。4月上旬のヤンゴンの状況を確認して、国外退避するか、ヤンゴンに留まるか判断する。

このように外国人のみならず自国民も退避を始めるような状況になっても、国連•国際社会は有効な手立てがなく傍観するばかり。解決する日がいつか来るのだろうか。