ミャンマー駐在体験談

ミャンマー政変後の状況を一人の日本人駐在員の視点で書くブログ

情報統制の始まり

 2月3日、4日とデモ隊は規模を拡大し、軍や警察が街中にいる状況ですが、幸い暴動や大きな騒動には至っていません。しかし、市民の国軍政府に対する憤りは激しく、病院で医療活動ボイコット運動が広がりを見せるなど、職場を放棄しデモに参加する動きが出始めている。

医療関係者のボイコット運動↓↓↓

 

 また、為替が大きくドル高チャット*1安に動いた。1月末はUSD1.00=MMK1,340だったのが、2月4日にはUSD1.00=MMK1,420へと急にドル高になった。おそらくドル高チャット安基調は今後も続くと想定される。

 そのような中で、2月3日にミャンマーの運輸・通信省は、フェイスブックを一時使用停止するように、携帯通信事業者、インターナショナル・ゲートウェイ運営者、インターネット・サービス・プロバイダに対し、2月7日23:59まで一時的に同サービスを遮断するよう通達を出した。フェイスブックは、ミャンマー人の多くが利用するサービスで、日本人ならグーグルで検索するようなものについても、フェイスブックを使用して検索したり調べたりするほど、フェイスブックミャンマー人に受け入れられています。フェイスブックだけでなく、同社が提供しているメッセンジャー、WhatsAppも規制の対象となった。恐らくデモの拡大を警戒する国軍政府が情報統制を始めたのだと推測される。

 さらに2月5日には、インスタグラムとツイッターも、同様の規制が適用されるようになった。私も今まで受信していたツイッターが全く更新できなくなり、常にVPN*2経由で見るしかなくなった。フェイスブックを見ると会社の従業員が投稿しているので、どうやって投稿しているのか聞くと、「無料のVPNサービスがあるので、それを使っています。ほとんどのミャンマー人は無料のVPNを使用しているからフェイスブックツイッターも問題なく使えますよ。社長にも教えましょうか?」と言われ、「大丈夫。私は以前から有料のVPNサービスに加入しているから、君のフェイスブックも見ているよ」と答えた。SNSを完全に遮断する情報統制はなかなか難しいようだ。しかし、こんな抜け道だらけの規制で済むわけがないので、国軍政府は今後どのような手を打ってくるのか心配になる。

 また、2月6日、7日の土日は、会社が休みになるので、デモの参加者が大幅に増え、抗議活動が激しくなると推測された。外国人の私としては、暴動にならないことを祈る気持ちだ。

*1:ミャンマーの通貨。略称MMK

*2:Virtual Private Networkの略。仮想プライベートネットワーク。今回の場合はミャンマーで接続していながら、他国のネットワークに仮想的に接続することで政府規制を回避できる。