ミャンマー駐在体験談

ミャンマー政変後の状況を一人の日本人駐在員の視点で書くブログ

情報統制の強化

 ゼネストから一夜明けた2月23日は、デモ隊の活動はあまりなく静かな一日だった。それでもCDMは引き続き実行されており、銀行は軒並み閉店し、政府機関も閉ざされている。税関は一部稼働していたようだが、銀行が開いておらず輸入関税の納付ができないため、輸入通関ができない状況が継続している。

 このような状況で、打開策を示せない国軍政府は、取り締まりと情報統制を強化している。取り締まり強化は、ゼネストが行われた22日は各地で逮捕者が相次ぎ、首都ネピドーでは200人を超える市民が逮捕されたと言われている。

 問題なのは、政府による情報統制だ。毎日午前1時から午前9時の8時間は、インターネット接続が遮断される。スマートフォンを使用したデザリングも不可能で、インターネットへの接続が全くできない。そのため、夜間にアップデートするような企業のシステムには大きな影響を及ぼす。政府は、夜間のインターネット遮断の理由を明確に説明していない。さらに、FacebookツィッターといったSNSは、全日遮断されている。こちらはVPNを使用すると使用可能なので、昼間は使用することが可能だ。SNS遮断の目的は、抗議デモ活動の縮小だと思われるが、成功していない。

 さらに今日は、残念なニュースが入ってきた。ミャンマーの英字新聞Myanmar Timesが3か月間休業するという。↓↓↓

 国軍政府から、「クーデター」を「権限移譲」などの言葉に置き換えるよう、報道の表現に関して指示があったようだ。Myanmar Timesの休業は、こうした表現の自由を守れないことが原因だ。ビルマ語のわからない外国人にとっては、重要な情報源のMyanmar Timesが休業というのは、大きなダメージだ。

 今の時代、いくら情報統制をしても、簡単に世界に発信できる。そういった行為を権力で封じ込めようとしても、おそらく抗議デモは収まらないだろう。次に国軍政府が打ち出す打開策に注目したい。